2nd MINI ALBUM 『CINCLONICITY』 セルフライナーノーツ 1

<Kuniaki Tokiwa>

現バンド体制での1stシングルから早4年、第1期ソロ体制での1stミニアルバムからは実に12年振りに、 満を持して2ndミニアルバムが発売されました。 特に直近の2年間では各自様々な環境の変化もあり、大幅に活動が縮小されてしまいましたが、 それでも久々に会えばいつもと変わらず酒を飲んで笑い合えるメンバーの関係性のおかげで、 少しずつ作業を進めていく事が出来ました。また今年の頭からレコーディングに参加してもらっていたYiqianも晴れて正式メンバーとなり、 4人編成での「バンド完全体」としてこの作品を完成出来た事はとても嬉しく思います。 収録されたオリジナル楽曲・計5曲は、奇しくも、現体制になってから僕が書き上げた順番通りの曲順となり、 詞の内容にも自然な繋がりと起承転結が生まれ、5つの短編作品を繋げて一つの物語を表現したオムニバス映画のような仕上がりになりました。 『主人公が失恋を経て、新しい恋に向き合い育み、時には息抜きで発散して、倦怠期を乗り越え、晴れて幸せになる』という一連のテーマは、 各々曲を聴いて詞を読んでもらう事で、映像としても浮かんできやすいと思います。 また、シンクロの音楽性を表すに相応しい『Various Hard Pop』という要素が全編にわたって盛り込まれ、 曲調が全く異なる5曲でありながらも、通して聴くとなぜか統一感がある、絶妙なバランスを持つ作品に仕上がった事も大きな自信になりました。 今回のアルバムタイトル『CINCLONICITY』とは、「意味のある偶然の一致、共時性」といった意味の“synchronicity”とバンド名を掛け合わせた造語ですが、 今現在のバンドとメンバーにとって、とてもマッチしているタイトルだと思います。
是非ともこの作品を末永くご愛聴いただけますように。


1. raintone -album version-
(lyrics:Kuniaki Tokiwa, Lisa Nakae / music:Kuniaki Tokiwa / arrange:CINDY CLOVER)
…現体制で一番最初に書き上げたオリジナル曲(※デモ制作:2016年12月)で、2018年9月に1stシングルとして先行第1弾リリース。
当時のレコーディング作業での反省点を生かし、更なるクオリティ向上を図るため、今回のアルバム用に全パートを再録。 自分のドラムはよりタイトに、Naoのギターはよりソリッドに、Lisaのボーカルは力強く表現が豊かになり、 さらにYiqianのベースは無駄のないバランスで全体をまとめ、シンプルなトラック構成にも拘らずかなり密度の濃い仕上がりになった。 シングル版で間奏部分に使用した雨のエフェクトシンセは、今回はアウトロで使用。

2. Butterflies -album mix-
(lyrics:Kuniaki Tokiwa, Lisa Nakae / music:Kuniaki Tokiwa / arrange:CINDY CLOVER)
…現体制で二番目に書き上げた曲(※デモ制作:2017年3月)で、2019年12月に2ndシングルとして先行第2弾リリース。
今回のアルバム用にメインボーカルトラックを再構築〜再ミックス。 シングル版ではまだ初々しさが残っていたLisaの歌声が、良い意味で大人っぽく落ち着いた質感に変わった。 またギターにも一部エフェクト処理を追加し、コーラスとベースを再録。 Yiqianのベースはシングル版とはまた違ったアプローチをしつつ、元々のデモ音源に近いアレンジとなり、 自分がこの曲を書いた当初の構想通りの完全版に仕上げる事が出来た。

3. SING WITH LOVE
(lyrics:Kuniaki Tokiwa / music:Kuniaki Tokiwa / arrange:CINDY CLOVER)
…現体制で三番目に書き上げた曲(※デモ制作:2017年6月)。
毎回酒にまつわるエピソードには事欠かない我々メンバーでの飲み会において、 「こんな楽しい時間がいつまでも続けばいいな」という、一見素敵なように思えて実はただのクズでしかない背景から制作。 詞の世界観としては、『前日のパーティではしゃぎすぎて記憶を無くし二日酔いで目覚めた女性が、これは神様の仕業だと託けて、 天国にいる神様を下界へ呼び出して、行きつけのバーでサシ飲みをして仲を深める』という、 一見理解不能かつブッ飛んだ設定を、海外ドラマ風に見立てて描いたもの。 楽曲については、Naoのパワーメタル風ギターリフとYiqianのベーススラップが肝となり、シンクロ史上で一番ロック色が強いアレンジに仕上がっている。 今作の中では唯一、男女ツインでのメインボーカルをとっている曲であり、 ただのHARD ROCKではない、シンクロ特有のPOP要素もしっかり加わっているのも聴きどころ。 また、物語の始まりを表現する『drink with jazz』と題したインスト曲も制作、インタールード的な役割として本トラックの冒頭に配置してある。

4. Waves
(lyrics:Lisa Nakae / music:Kuniaki Tokiwa / arrange:CINDY CLOVER)
…現体制で四番目に書き上げた曲(※デモ制作:2017年6月)。
「SING〜」とほぼ同時期に制作を進めていたミディアムバラードで、王道バラードロックの展開にR&B/POPS寄りのメロディを乗せた勝負曲。 デモが完成した時点ではまだ歌メロのみでタイトルと歌詞が無く、 当時飲みの席での雰囲気でLisaに作詞を託してみたところ、予想以上のクオリティで書き上げてくれた。 個人的に自作曲の作詞を他人に依頼したのは初めての経験だったが、 自分では到底思い付かなかった言葉や表現で綴られた歌詞はとても新鮮で、結果的に大成功だった。 楽曲としても作曲者の立場としても、ある意味で救われた気持ちになったのを鮮明に覚えている。 冒頭の逗子海岸での波のSEと、全編に渡るストリングスが楽曲に壮大な拡がりを持たせ、 Naoのブルージーかつメロウなギターソロが叙情的な雰囲気を与え、Yiqianの独特なフレーズを奏でるベースがグルーヴ感を生み出し、 これらのサウンドに乗せたLisaの歌は、今作の中で一番の開放感と説得力が伝わってくる。

5. March of ours
(lyrics:Lisa Nakae, Kuniaki Tokiwa / music:Kuniaki Tokiwa / arrange:CINDY CLOVER)
…現体制で五番目に書き上げた曲(※デモ制作:2018年1月)。
当初は前曲「Waves」が本編最後のトラックになる予定だったが、Lisaがこの曲の歌詞を一人で書き上げてくれた事がきっかけで、 新たにアイディアが浮かんだため急遽追加で制作。 これまでの4曲に対するエンドロール的な役割として、一つの物語を気持ちよく締めくくってくれる、今作での最重要曲。 この曲もデモの時点ではまだ歌メロのみでタイトルと歌詞は決めず、前曲同様Lisaに作詞を依頼。 この曲の立ち位置とイメージを踏まえた内容で大筋を書き上げてくれた。 Lisaのボーカルトラックは当初仮歌のつもりでラフに録ったものを、自然体な雰囲気を重視してそのまま本採用。 各々のフレーズセンスが光るNaoの長編ギターソロとYiqianのベースソロ、 自分が叩いていて一番気持ち良いフレーズを詰め込んだドラミング、さらに楽曲をより鮮やかに彩るキーボード/オルガンの音色。 シンクロで表現したい手法と各メンバーの持ち味をこれでもかというほど詰め込んだ集大成的なアレンジに仕上がった。

6. Breathe -ele×acoustic- (limited first / regular edition bonus track)
(lyrics & music:Michelle Branch, John Shanks / arrange:CINDY CLOVER)
…CD盤のみに収録した、ミシェル・ブランチが2003年に発表した代表曲のカバー。
Lisaが加入して3人体制になってからのアコースティック/バンド編成ライブでほぼ毎回演奏していた、メンバーにとってとても馴染みのある曲。 元々は全編アコースティックアレンジの予定であったが、今年に入ってYiqianが加入した事もあり、バンドアレンジとの二部構成に変更。 この流れがまたバンド自体の歴史を感じられて、とても感慨深い仕上がりになった。ボーナストラックという位置付けではあるが、 オリジナル5曲とも決して劣らない存在感を持ち、重要なポジションを担っている。